アクセサリーをつくりたいと思ったときに、やはりまずはリングを・・・と思われる方も多いのではないでしょうか。
今回はロストワックス手法によるアクセサリーづくりのひとつ、チューブワックスからリングの原型をつくってみます。

ロストワックスの種類や道具については「ロストワックスでアクセサリーをつくろう! **まずは道具編**」をご覧ください。

ケガキ

こちらのカニコンパスを使用して必要な幅の印をつけます
四角いブロックワックスの場合は定規を使ってもよいのですが、チューブワックスの場合はこれが便利です。

カニコンパスの爪?部分の幅を広げて必要なサイズを測ります。
その爪の片方ををワックスの端に当ててそこを支点にし、するするっと印をつけていきます。

 

 

動画:ケガキ編

 

コツを掴むまではワックスに傷がついたり、逆に印が薄すぎて途中でわからなくなることもありますが、単に慣れですので何度か試すうちにできるようになると思います。

印の付け方よりも大切なのが、その支点にする端の面が歪んでいないことが重要です。
支点にする面の角度と同じように印がつくため、この面がチューブワックスの長い面に対して直角でないと、切り出したリングも歪んでしまいます。

 
 

四角いブロックでも同様に曲がっている場合は直角にしておかないと、制作物の中心がずれますので気をつけましょう。

ですが、垂直な線を引くってなかなか大変です。

そんなときはぜひスコヤを使ってみてください。
簡単に、1辺に対して垂直の線が引けますのでおすすめです。
DIYのお店には必ずあります。

 

切り出し

ワックス用ののこ刃糸のこにセットし、ケガいた線から1〜2mmほど外をカットしていきます。
(のこ刃はピンと張った状態にしましょう。)

一気にひとつの面からカットしていくと、私は曲がっていくことが多いので、チューブワックスを回しながらカットしていきます。

のこぎり全般に言えることですが、のこぎりは引いたときに切れるので、常に(押して戻す際に)力を入れる必要はありません。

引くときにのみ、力を入れてあげれば楽に切り出しができます。

 

動画:切り出し編

ヤスリがけ その1

リングのカットした断面をヤスリをかけてきれいにします。

ワックス用のヤスリで粗目から中目、細目まで、順にかけていきます。

ヤスリは糸のことは逆で、押すときに削れますので、押すときだけ力を入れれば疲れません。
ワックス自体が柔らかいものなので、勢いで削りすぎてしまわないように気をつけてください。

よく使う方法なのですが、粗目でざっくり、中目でさっくり削った後、細目のヤスリで図のようにケガいた線のギリギリのところまで、斜めに削り、残った部分を落としていくと、際がきれいに仕上がります。
斜めに落とすときは慎重に削ってくださいね。

 

 

動画:ヤスリがけ その1編

紙やすりできれいに

細目で削った後に紙やすりできれいにします。
面をきれいにしておくと、次の作業がしやすくなります。

方法はいたって簡単で、平らなところに紙やすり(この時点では1200番ぐらいであれば十分です。)を置き、そこに先ほどヤスリがけした面を下向きに置きます。
そのままスルスルと前後に滑らせてあげればOKです。

ただ、人間の手だとどうしても力の入り具合などによって、一定方向だけに動かすとムラができたり、手前と奥の端だけが削れてしまいます。
でも横に動かすのは実は難しいので、ワックスの向きを回転させてあげ、できるかぎり均一な力でかけるようにするのがポイントです。

 

 

動画:紙やすりできれいに編

リングサイズの変更

チューブワックスは最小のサイズが8号ですので、それより大きくしたい場合はリーマーを使って、8号より小さいものはブロックワックスを使ってつくります。
今回はリーマーを使ったサイズの変更方法です。

リーマーに切り出したワックスを入れ、やさしく回します。
一度ワックスを出し、今までの上下逆で再度リーマーに入れ、先程回した回数と同じ回数、回します。

なぜ上下を入れ替えて回すかというと、リーマーには角度がついていて、先端に行くほど細くなります。
入れ替えないと、リングの下だった方の穴だけが広がってしまい、斜めの穴になってしまうからです。

 
 

ある程度の回数を回したら、リングサイズ棒で確認します。
このときも上下を入れ替えて確認しましょう。

サイズ棒のサイズ表記の線がワックスの真ん中になるまで、この工程を繰り返します。

 
 

リーマーを回すときは優しく、と書きましたが、あまり力を入れてしまうとワックスが引っかかってしまい、傷がついてしまうので注意してくださいね。
(ただ、やさしすぎると削れないので、多少慣れが必要かもしれません。)

 

動画:リングサイズの変更編

ヤスリがけ その2

もう少しで完成です。
がんばりましょう。

今度はリングの厚みを調整します。
リングの穴を基点とし、必要な厚さぶん、両面にケガいて印をつけます。
(リングの外側からケガいても問題ありませんが、穴からのほうが確実です。)

下に載せている動画では周りの不要な部分がかなり多かったので、ヤスリをかける前に糸のこでカットしています。
もし糸のこを使うのが不安な場合は、ヤスリだけで削っていくのでももちろん構いません。

再び粗目から中目、細目のヤスリへと変えながら削っていきますが、あと残り0.5mm〜1mm残ったあたりで、また先ほどと同じように斜めに削り、その残ったところを落としていきます。

 
 

すり板を使って削る場合は、ワックスをすり板に押しつけながらヤスリをかけますが、ヤスリを押したときと同時にリングを手前に回すと、平面ではなく曲面で削ることができますし、やはり早い。
ちょっとしたコツが必要ですが、すり板を入手した際にはぜひ挑戦してみてください。

 

 

動画:ヤスリがけ その2編

 

これでリングのベースができました。
あとは紙やすりやスポンジヤスリでリング穴の内側含め、軽くヤスってあげ、模様を彫ったりしていきます。

 

今回はサンプルとして細みの幅や厚さが均一のものをつくりましたが、トップ部分にボリュームのあるリングや印台のようなリングも基本的には同じです。

数をこなせば、この一通りの工程は1時間ほどでできるようになると思います。
つくり方も人それぞれでこれが正解ということではありませんので、ぜひいろいろ試してみてくださいね。

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