誰しもが持っているTシャツ。
みなさんもお気に入りの1枚があるのではないでしょうか。

今回はシルクスクリーンでTシャツにイラストをプリントすることに挑戦してみました!

シルクスクリーンプリントとは?

まずシルクスクリーンプリントってなんだ?というと

  • ①印刷には凸版平版凹版孔版の大きく4つの版式があり、シルクスクリーンプリントは孔版印刷の一種
  • ②孔版の「孔」とは「突き抜けた穴」の意味で、布の網目(メッシュ)を版として使う
  • ③孔版がシルクスクリーンプリントと呼ばれているのは、版に使われる布が、かつては絹(シルク)が使われていたことに由来。しかし絹は耐久性に欠けるのと同時に合成繊維が実用化された現代は、ほとんど絹を用いることはなく、ポリエステルやナイロンなどさまざまな材質の合成繊維がメッシュの材料として使われている。

印刷は刷る内容や部数、どんな素材に刷りたいかによって、最適な版式を選択する必要があるのですが、今回は比較的単純なイラストをTシャツ(布)に印刷したいので、シルクスクリーンプリントが適しています。

スクリーンプリントキットTシャツくん

前置きが長くなりましたが、シルクスクリーンプリントをするにあたって布を使った版が必要です。

今は自宅でプリントをするための材料やキットの種類がいろいろあってすぐに購入できますが、今回は『スクリーンプリントキットTシャツくん』を用意しました。
このキットがあれば、版の準備が自分でできて、印刷に必要なものも揃っているから手軽にシルクスクリーンプリントができちゃいます!


キットには下記のものが入っています。


  • ・本体(ランプボックス):1台
  • ・ミドルフレーム:1個
  • ・ミドルマット:1個
  • ・ミドルスクリーン(120M):5枚
  • ・お試しスクリーン(120M):2枚
  • ・ピンホール修正液:1個
  • ・スプレーのり:1本
  • ・マスキングテープ:1個
  • ・ヘラ(大):1個
  • ・ハケ:1個
  • ・スキージ※(23cm):1個
  • ・インク(水性一般インク50g・白赤青黒黄緑):各1個
  • ・プリントパネル:1枚
  • ・クランプ:1個
  • ・Tシャツくん専用原稿用紙(手描き・コピー用):5枚
  • ・Tシャツくんインクジェット専用原稿用紙:5枚
  • ・取扱説明書:1冊
  • ・保証書:1通

※スキージ:インクを押し出すための道具です、ヘラのようなもの。透過した部分からインクが押し出され、絵柄がプリントされます。


他に自分で準備するものは


  • ・Tシャツ
  • ・ティッシュ
  • ・水を入れたコップ
  • ・アイロン
  • ・敷物(新聞紙など)
  • ・ドライヤー(なくても可)

と、お家にあるものがほとんどです。

版を作るよ!

1)原稿を作る

必要なものは版だけ。
というか版がないと始まらないのがシルクスクリーン。
その版を作る元になる原稿を準備します。

原稿は手書きでもいいし、インクジェットプリンターで出力したものでもOKですが、真っ黒に塗りつぶすのがポイントです。
不要な部分はカットし、汚れがないかもチェックします。

今回はこのイラストを準備しました。
スクリーンの大きさが大きいので大中小3パターン一気に製販しちゃおうと思います。


原稿が完成したら敷物を引いて、原稿にスプレーのりを吹きつけ、1〜2分待ち、スプレーのりの水分が飛ぶのを待ちます。

2)ミドルフレームにミドルスクリーンに張る

版になるミドルスクリーンは感光スクリーン※なので、製版をする時は紫外線の入らない暗い部屋で作業します。

ここから露光完了までの作業は部屋を暗くするので、袋からスクリーンを取り出す前に、本体のボタンの場所の確認や必要なものをしっかり準備しましょう!
(※感光スクリーン:光に含まれる紫外線によって硬化する乳剤を用いた感光法シルクスクリーン材料)

準備ができたら部屋を暗くし、袋からミドルスクリーンを1枚取り出しミドルフレームにセットします。

ミドルフレームはネジを外すと内枠と外枠に分かれるので、その間に取り出したミドルスクリーンをおき、枠をはめ込んだあとネジをしっかり締めてピンと張るようにセットします。
ネジを閉めた後にミドルスクリーンを指で弾くと発する「ビンビン」という音でしっかり貼れたかを確認できます。

3)原稿をミドルスクリーンに貼る

ミドルマットの上に2で準備したフレームを、ネジがある方を下にしてかぶせます。
スプレーのりをつけた原稿を裏返してミドルスクリーンに貼ります。
しっかり密着させたら原稿のセットが完了です。

4)露光する

原稿を貼ったスクリーン版とミドルマットを裏返してランプボックスにセットしフタを閉めます。
電源ボタンを押して露光開始です。

原稿の種類によってスタートボタンが異なるので、原稿に合わせてボタンを押せば露光が開始されます。

露光時間は原稿が手書きの場合は60秒、インクジェットの場合は135秒で、ランプが消えれば露光完了です。


露光が終わったので本体から版を取り出しました。

原稿で準備したイラストの黒い部分に光が当たってスクリーンの乳剤が抜けているはずです。
この時点では露光された部分がわからず不安しかありません…


水をつけたハケでブラッシング。
途中ティッシュで拭き取りながらブラッシングを続けます。

ドキドキしましたが、しっかり抜けていました!

水気をしっかり拭き取り乾燥させます。
急いでいる時はドライヤーで乾かします。


これで版ができました。

いよいよプリント!

作業をする机やテーブルの端にクランプを取り付け、フレームを挟み込みます。

Tシャツとインクも準備します。
Tシャツはプリントパネルにスプレーのりを吹きつけた後、Tシャツに通して、シワにならないように貼り付け、プリント位置に置きます。


さぁ、始めますよ!
インクを版の上においてプリント開始!

スキージを65度位に傾け、押し付けながらゆっくり引きます。

刷れているかな?緊張の一瞬!

オー!刷れてる!!
かわいい〜♪


この調子でもう1枚、そしてもう1枚…


今回Tシャツにプリントするイラストは中くらいの大きさのものなので、他の2つはインクが入らないようにテープを貼りました。

できた!!

インクが乾くのを待ち、乾いたらアイロンで定着をさせます。


途中インクがかすれたり、余計なところに付いてしまったりしたものもあるけど、なんとかできました!


こうしてみると失敗も愛おしい。
手作りならではの感情ですね笑。

まとめ

難しいところもあって、課題もありましたが思ったより上手にできました!

インクを拭き取った版は何度も使える予定でしたが、結構ザクザクに。
今後露光時間やスクリーンの拭き方も研究してみます!


シルクスクリーンプリントは、今回のTシャツのような布製品の他に、食器・家具・電気製品・電子基板など、身の回りのありとあらゆるものに使われています。

今回インクは黒1色でしたが、版を分けて多色刷りすることも可能です。

オリジナルの小物をつくったり、お家の模様替えにシルクスクリーンを取り入れてみるとおもしろいかもしれませんね。
印刷したい素材に合わせてさまざまなインクもあるようなので、調べてまた挑戦してみたいと思います!

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